仙石浩明の日記

2009年10月1日

新卒の内定者とかけて、がらがらの道路ととく。その心は? hatena_b

KLab(株)は、 2007年から新卒採用を行っています。
今年も例年通り、10月1日に内定式を行いました。

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みなさん、内定おめでとうございます。 社長のお話が終わり、 みなさんは自己紹介が終わって、 緊張もだいぶほぐれてきたのではないかと思います。 これからの私の話はどーでもいい話なので、 リラックスして聞いてもらえればと思います。

唐突ですが、渋滞が起きる原因って知っています?

みなさん、いきなり何を言い出すんだ、という顔をしていますね?

渋滞が起きる理由なんて、 そりゃ車が多いからに決まってるだろう、 という声が聞こえてきそうです。 確かに道路を流れる車がどんどん増えると、 交通量がある限界を越えると、 渋滞になるのはアタリマエのような感じがします。

でも、 大渋滞が起きているときと、 混んではいるけど流れているときの交通量と、 どのくらい違うと思いますか? あ、もちろん工事や事故などで車線が減っている場合は、 そのぶん交通量は減りますから、対象外とします。 高速道路など流れを妨げるものが特にない道路で起きる、 いわゆる自然渋滞についてのみ考えます。

確かに大渋滞のときって車がたくさん詰まってるので、 交通量が非常に大きいような気がしますが、 みんなノロノロ運転だったり、 ひどい渋滞だと完全に流れが止まってしまっているときもあるわけで、 極端に言えばいくら車の台数が多くても、 スピードがゼロであれば、 ゼロに何台掛けてもゼロですから、 交通量としてもゼロです (正確には、 交通量[台/時間] = 車数[台] * 車速[距離/時間] / 車間[距離])。

ぐだぐだ説明してしまっているからすでにおわかりだと思いますが、 実は普通に流れているときも、 ノロノロ渋滞も、 交通量の観点で言うとほとんど変わりません。 むしろ渋滞一歩手前の流れているときの方が流量は多いかもしれません。

さて私は何を言いたいのでしょうか?

道路というのは押し並べて車を流すことが目的であるわけです。 つまり交通量というのは道路の「成果」ですね。 流れている道路と、大渋滞の道路、 「成果」が変わらないのに大渋滞の道路は大変な苦痛を伴います。

同じ成果が得られるなら、 苦痛が無い方がいいに決まってます。 ところが先月の大型連休のように、 交通量が増えると決まって大渋滞が起きますし、 会社では受注量が増えるとデスマーチが起きたりしますし、 「忙しい忙しい」 が口癖の人は、 TODOリストが長くなればなるほど気が急いてしまって仕事が手につきません。 先手先手で仕事をまわしている人と、 後手後手にまわってしまっている人とでは、 やってる仕事の量自体は大差なくても、 天と地ほどの評価の差がついてしまったりします。

どうやったら渋滞を防げるのでしょうか? 交通量が増えてしまってから防ごうと思っても、 大量の車を前にしては、 なすすべありませんよね。

みなさんは今、がらがらの道路なのだと思います。 どうやったら渋滞を起こさずに成果を出し続ける人生を歩むことができるようになるのか、 これから入社までの半年間じっくり考えてみてはいかがでしょうか。

Filed under: 元CTO の日記,自己啓発 — hiroaki_sengoku @ 11:46

6 Comments »

  1. 私が考える、単純に渋滞を起こさない方法は、
    ・ETCを採用して料金所での停滞を作らない⇒仕事における工程上のボトルネックを作らない
    ・交通量が多くなる時間帯を分散させる⇒他の人や外部に仕事を依頼して仕事を進める。

    などでしょうか。
    確かに渋滞回避を考えると仕事に通じますね。

    でも、渋滞のときと渋滞じゃないときの交通量、「成果」が変わらないという点が解せません。渋滞を起こすときは通常以上の交通量があるから発生すると思います。

    Comment by かず — 2010年5月17日 @ 23:04

  2. 非常に有益なお話で人生の参考になります。

    仕事を渋滞させないためには、作業全体を見つめ直した上で律速段階となっているステップを見出し、作業方法などを再考する必要があると思います。仕事は車の渋滞ほど改善が困難ではないと思いますが、日頃から自分の仕事に関して上記視点を持っていると渋滞は発生し得ないかも知れません。

    「道路」の目的に関して、出発点から目的地への道をよりスムーズに進行するためと捉えると、その「成果」として一概に「交通量」一点では評価できなくなります。「より早く」と「より多く」が「成果」になると思います。

    Comment by TH — 2010年8月31日 @ 18:50

  3. なるほど、流入する量を増やしても詰まるだけで流量(成果)は増えないですね。
    なら選択肢は、パイプを太くするか、他のパイプに流れるようにするか。

    パイプを太く(自分を成長させる)することは、その気があれば一番てっとり早くて確実な方法。
    だけど無限に太くなる訳じゃない。

    他のパイプに流すにしても都合よく空いてるパイプがあるとは限らない。
    一番確実なのは、新しくて太いパイプを自分で作っちゃう事でしょうね。
    既存のパイプを使うのもいいけど、穴の空いた使い物にならないパイプかもしれないし・・・。

    Comment by あたご — 2010年11月28日 @ 02:08

  4. facebookからこの記事にたどり着きました。

    最大流量で流れている状態から渋滞になるのは、ちょっとした余分なブレーキなどで、ある区間の流量が減ってしまったことをキッカケに、そのツケが、その後ろ(時間的にも空間的にも)に波及してしまうというメカニズムだと思います。

    この仮説が正しければ、キッカケを作った集団は渋滞にはまらずに逃げきれてしまうわけで、キッカケを作らない行動をすることに対するモチベーションを持たせるのは難しいという課題があります。

    区間ごとのリアルタイムな流量を測定する仕組みは整備されているので、流量を俯瞰することはシステムで可能です。大域的な流量と比較して、局所的な流量が減り始めたことを検知すると、その区間のドライバーの流量を向上させるような協力行動(安全を確保しつつ車速を上げて車間を下げる)に対してモチベーションを与えるような仕組みを作ると良いのではないかと思います。

    ETCやカーナビに連動して、該当区間のドライバーに警告を上げて、そのドライバーが協力行動をするとご褒美(ETCのポイントなど)が与えられる仕組みが有効だと思います。位置情報を利用したスマホアプリでも実現できそうです。協力行動を検出するのが難しければ、警告を音声で通知することに対してご褒美を与えるようにするだけでも一定の効果は期待できるのではないかと思います。

    Comment by 松本真治 — 2019年1月6日 @ 08:49

  5. 別案を思いつきました。

    最大流量を生み出すための車間距離と車速の最適値は道路によって決まっているので、そのような運転を維持するように誘導すれば良いのです。道路にLEDを一定間隔で埋め込んで、最適車間距離・車速に合わせて流れるように光らせることで、ドライバーの技能、モラル、モチベーションに強く依存せずに、誘導できそうな気がします。

    Comment by 松本真治 — 2019年1月6日 @ 12:18

  6. 新卒社員たちが、松本さんのようにどんどん発言する人たちばかりならよかったんですけどね~

    新卒採用って、ポテンシャル採用と言われることもありますが、私にとっては「ポテンシャル」じゃなくてまさに「即戦力」です。

    http://www.gcd.org/blog/2006/05/367/
    「新卒の段階で既にとてつもなく大きな差がついていることに改めて驚かされました」

    Comment by hiroaki_sengoku — 2019年1月8日 @ 10:13

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